腸脛靱帯が膝部外側で摩擦し、痛みがが発生するのが腸脛靱帯炎です。
<原因>
腸脛靱帯炎はランニングによる膝障害の代表です。原因は膝の屈伸運動を繰り返すことによって腸脛靱帯が大腿骨外顆〈がいか〉と接触(こすれる)して炎症(滑膜炎)を起こし、痛みがが発生します。特にマラソンなどの長距離ランナーに多く見られます(他にバスケットボール、水泳、自転車等)。
<原因>
オーバーユースが主な原因です。過剰なランニング時間と距離、柔軟性不足(ウォームアップ不足)、休養不足、硬い路面や下り坂、硬いシューズ、下肢アライメント(内反膝)など
<症状>
大腿骨外顆周辺に限って痛みが存在します。腸脛靱帯は明らかに緊張が増し、時に靱帯の走行に沿って疼痛が放散します。
初期はランニング後に痛みが出ますが、休むと消失します。しかし、ランニングを続けていると次第に痛みは増して、簡単に消失しなくなってきます。
類似疾患
膝内側で同様の症状がランニングなどで起こる場合があります。鵞足炎(がそく)と言い、やはりオーバーユースが原因です。
ランナー膝はマラソンランナーに発生しやすい
治療
大腿筋膜張筋など股関節外側部を主としたストレッチの強化、アイシング・超音波などの物理療法を行います。 いったん症状が出現すると、簡単には消失しないので発症初期の決断、適切な休養期間が大切です。同一側の膝の負担を軽くする目的で、たまには普段と反対回りのトラック走行も取り入れるのもおススメです。